求人を出しても応募が来ないと、「媒体を変えよう」「条件を良くしよう」「原稿を書き直そう」と、会社の外側に答えを探しがちです。

もちろん、求人票の見直しは必要です。ただ、その前に一度だけ確認してほしいことがあります。

それは、今いる社員が、自分の会社を人に勧められる状態かどうかです。

トラブルがない職場=良い職場、とは限らない

社員同士が揉めていない。指示した仕事は問題なく進んでいる。遅刻や欠勤も目立たない。

一見すると、何も問題がないように見えます。しかし、会話が業務連絡だけになり、社員が意見や困りごとを言わなくなっている場合、職場は静かに行き詰まっているかもしれません。

社長は「何かあれば言ってほしい」と思っていても、社員側は「忙しそうだから言いにくい」「言っても変わらない」と感じていることがあります。この小さなすれ違いは、求人票には表れません。それでも、会社の雰囲気や社員の表情を通して、応募者には意外と伝わります。

求職者に伝える言葉は、社内の実感から生まれる

採用ページに「風通しの良い会社」「社員を大切にする職場」と書くだけでは、求職者の心は動きません。

大切なのは、その言葉を裏づける日常です。

こうした実感があれば、求人の言葉は具体的になります。面接でも、働く人の本音を交えて会社の魅力を伝えられるようになります。

まずは「小さく聞く」ことから始める

いきなり面談制度をつくったり、朝礼を大きく変えたりする必要はありません。忙しい会社ほど、最初は日常の声かけで十分です。

「最近、困っていることはない?」

「今日の段取りに無理はない?」

「もっとやりやすくするなら、どこを変えたい?」

ここで大切なのは、すぐに正解を出そうとしないことです。答えが短くても、まず聞く。出てきた違和感を置き去りにしない。その積み重ねが、「言っても大丈夫」という空気をつくります。

採用は、今いる社員との関係から始まっている

応募が来ない原因が、すべて社内にあるわけではありません。ただ、媒体や原稿を変え続けても成果が出ないなら、採用の入口より前にある職場の状態を見直す価値があります。

今いる社員が「ここで働いていてよかった」「知り合いにも勧められる」と思える会社になること。その土台があってこそ、自社らしい求人の言葉が生まれ、入社後の定着にもつながります。

採用の前に整えたいことを相談する →